「しんどい日々」
灼熱地獄のフランスから戻ってきたら、東京は梅雨寒で、案の定、風邪を引いてしまった。咳と鼻水だけで熱は出ないからたいしたことはないだろうと病院へも行かずに放っておいたら、咳は止まったものの鼻水がとまらずぐじゅぐじゅ出続け、今ではどうやら炎症を起こしているらしく、鼻の上から目の周囲にかけての神経がずきずきずきずき痛む。
これでは仕事にならんからと鼻炎の薬と鎮痛剤を飲むのだが、今度は頭がぼーっとしてきて、これまた仕事にならん。おまけに胃が荒れてきてもいる。
編集者は病院に行かなければダメだというのだが、こう見えてもわたしはガキのころから病弱で、それこそ嫌になるほど病院に行っていたので病院が嫌いで嫌いでしょうがない。なるだけ、できるだけ、本当に、病院に行かなくて済むのなら行きたくはないのだ。
しかし、ここに来てがたっと体力が衰えてきているという実感がある。元来が病弱なので季節の変わり目には必ず風邪を引いていたものだが、この5月から7月にかけては三度も風邪を引いている。治りも遅い。疲労しているときに気温が急激に変化するともうダメだ。発熱、ダウンの繰り返し。
おかげで仕事のスケジュールがきつくなって、それをこなすために遮二無二働いて、疲労して、また風邪を引く。いやぁな悪循環だ。それでなくても書かなければならない小説目白押しなのに。
ああ、明日になっても症状がよくならないようなら、観念して病院へ行こう。いやだいやだいやだいやだ。
というわけで、書くことがなにもない。
今回はこれで勘弁。
(2003年7月10日掲載)
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