Hase's Note...


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「鈴木宗男」

 ふたつのNGO組織に対して、外務省がアフガン復興会議への出席を拒否したことが問題になっておる。
 どうやら鈴木宗男が外務省に圧力をかけたらしい。NGOの代表のひとりが朝日新聞で「お上は信用できない」と発言したことを、けしからん、だったら国が主催する会議に出ることもあるまい、といったとかいわないとか。
 でもって、メディアは鈴木宗男をけしからんという。大人げないという。外務省を非難する。田中真紀子も自分の知らないところで勝手に決定されたと目くじらを立てる。
 アホか。
 鈴木宗男のような男が、なぜ、アフガン問題に首を突っ込んでくるのか。9月11日以前にはアフガンのアの字も口にしていなかった男が、何故にこの時期、顔を出してくるのか。
 銭のために決まっておる。利権のためだ。利権を確保するためだ。
 どうやら、日本はアフガン復興のために五億ドルほどの金を支出するらしい。五億ドルだぞ。それこそ有象無象がハイエナよろしくこの金を狙っているに違いない。あの手この手を使って、この金を利用しようと画策しているに違いない。
 鈴木宗男がNGOに大人げない振る舞いをするのは、自分の懐に入るかもしれん金を、自分の自由にならない連中に一円たりともくれてやってたまるかと思っているからに違いない。
 政治の玄人ではないわたしにとってさえ自明の理であるこのことに、テレビや新聞は一言たりとも触れない。現場の人間は絶対にからくりを知っているか、簡単に推理できるはずなのにも関らず、だ。まあ、証拠はないのだからそんなことはいえない、書けないというのはわかるが、だからといって「大人げない」という方面から非難するだけというのもとんでもない。
 はっきりいえば、ろくなもんじゃない。腐りきっている。
 でもって、メディア以上にろくなもんじゃなく、腐りきっている日本国民は、テレビで放映される言葉を鵜呑みにし、鈴木宗男ってとんでもないわねのレベルで事を済ませてしまう。
 ああ、恥ずかしい。腹立たしい。
 大衆を舐めきって、嘘八百を並べ立てる鈴木宗男の顔は下品だ。したり顔で鈴木宗男を非難するテレビキャスターは恥知らずだ。あるいは、無知蒙昧さをさらけ出している。アフガンの現状を訴えるカイザル議長の凛々しさとは雲泥の差だ。カイザル氏が清廉潔白な人間かどうかは知らない。だが、数十年の間戦乱に巻き込まれていた国の人間の方が、数十年の間平和を貪ってきた国の人間よりはよっぽどましに見えるという事実は変わらない。
 鈴木宗男とテレビキャスターとカイザルの顔を見比べてみろ。
 この国は銭で動いておるのだ。すべてに銭が絡んでおるのだ。小泉改革に対する抵抗勢力というのは、昔持っていた利権を取り戻そうとしている連中のことだ。連中が昔持っていた利権は、今や小泉政権の手中にあるのだ。百歩譲って小泉純一郎は本気で、自民党がこれまで握っていた利権で生まれる金を国民に還元しようと考えているのかもしれんが、小泉に群がる連中の大半は、利権のおこぼれにあずかろうとあくせくしているだけの存在だ。
 政治家が銭のことしか考えないせいで、今やこの国は滅びようとしているのだ。国民が己の無知に気づかないせいで、この国は世界から笑われているのだ。
 なぜにこんな単純なことがわからんのだろう。
 久々に腹が立ってしまった。

(2002年1月22日掲載)

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