Hase's Note...


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「リーガ放映権に関するあれこれ」

 何人かのサッカーファンからもメールをもらったが、リーガ・エスパニョーラの日本における独占放映権をWOWOWが取得してしまった。
 こりゃ、痛い。なんとなれば、リーガはスカパー!のJSKYSPORTSが愛と情熱を込めて視聴者と共に育んでいった、日本のサッカー放映では希有な存在だったからなあ。クラッキーこと倉敷保雄アナと金子達仁や戸塚啓といったセミプロおたく系コメンテーターたちの織りなす実況中継とも解説ともいえない微妙なコミュニケーションがスカパー!におけるリーガの魅力でもあった。
 それがいきなり放送局変わるとよ、ずれがなんともでかくなっちまうんだよな。見たけどさ、WOWOW。なんか臭いアヴァンタイトルとかつけちゃってさ、阿呆かっての。お洒落じゃねえんだよな、ださいんだよ。アナウンサーも解説者も、特に悪い、ってわけじゃないんだが、当たり障りのないことしか喋らないしなあ。でもまあ、某日本放送協会よりはよっぽどましだが。それにベッカム目当ての連中向けに番組作ってるんだしな。
 がっかりだ。本当にがっかりだ。だが多分、JSKYSPORTSの関係者はおれたちよりがっかりしてるだろう。ベッカムを恨んでおるだろう。WOWOWにしたって、チャンピオンズリーグをスカパー!に取られて、このままでは潰れてしまうという危機感に駆られて、10億だかそれ以上の金を出して、がむしゃらにリーガ放映権の獲得を目指したのだ。いや、まじでリーガがなかったらやばかったろうよ、WOWOW。とっとと潰れろというのは外野の勝手な意見だが、そうもいかんだろうしなあ。
 とまあ、わたしは鷹揚に構えているが、それにしたって、つい最近コクーンを導入して、WOWOWのチューナー繋いだわけで、簡単お手軽にリーガの試合を録画できるようになったからで、それがなかったら、もっと怒ってるな。金がねえ若いやつらはなおさらだろう。
 しかしまあ、現実とはそういうものだ。弱肉強食の資本主義。それを今日支えているわたし、あなた、彼ら、彼女ら。消費することにうつつを抜かして、決して背後を振り返ることなく、未来を見据えることもなく、ただひたすらに近視眼的に今現在だけを謳歌して刹那に生きるわたしたち。リーガの放映権がWOWOWに移ったのはけしからんということは、すなわち資本主義とはろくでもないと叫ぶことであり、資本主義を支えている我らよ呪われろというに等しいことだが、たぶん、だれもそこまでは考えていないだろう。考えるの面倒くさいもんな。面倒くさいこと嫌いだもんな、みんな。考えること教わってこなかったから、考えることできないもんな。
 そこまで考えなくても、マドリーがベッカム獲得したのはアジアにおけるマーケティング戦略のためであり、今回のどたばたもマドリーの思惑に則って進んだわけで、本当にけしからんのはマドリーのフロントなのだが、マドリーのあの美しい(攻撃に関しては)サッカー見たら、だれだって口つぐむのよな。しかたないじゃんって。マドリーのやり方はそりゃ良くないかもしれないけど、こういうサッカーするためにはしかたないのよね、ってよ。
 しかたないんだよ、だから。あれ見たらため息出ちゃうんだから。あのチームにあれだけの選手を集めるのに、どれだけ裏で汚い密約や裏切りがあって、どれだけ不誠実な行いが繰り広げられていたとしてもなあ、あれ見ると、みんな黙っちまうのよ。美しいんだから。凄まじいんだから。あれに対してぶーぶー文句垂れるのは、おれみたいなバルセロニスタにしてひねくれ者の人間だけだろうよ。それにしたって、試合になれば見てしまうのよ。負けろ、負けろと頭の中で念じてても、禿がボール持ってくるっとターンした瞬間に、「ああ、美しい」と感じてしまっているわけだ。しょうがねえなあ、もう。
 ま、そういうことです。怒っても無駄です。世の中はそういうふうにできあがっておるです。人間の心理もそう。ある種の美しさに接すると、その裏にあるどす黒い薄汚さを一瞬にして忘れ去ることができるんだから。
 サッカー文化がどうのこうの。そんなもの、屁です。屁。そもそもこの国には文化などありません。この国がそうなったのも、わたしやあなたのせい。わたしの父母たち、あなたの父母たちのせい。いやなら革命起こすしかありませんが、革命起こすには、今の世の中ではテロしか手段ありませんね。テロに走ったって、革命なんざ起こりようがありませんね。あなた、それでもテロリストになりますか? あ、それ以前に、サッカー文化が根づいてるはずのヨーロッパの人たちが、サッカーを金儲けの手段に変えることを思いついたんでしたね。
 ちなみに、わたしが今現在、しこしこと悦びを抱きながら書いている『弥勒世』のサブテーマは「テロル」なのでありました。沖縄の人たちにはテロに走る権利があります。だれもその権利を行使しようとしませんけど。
 話が逸れてしまった。とにかく、リーガに関しては悲しくて残念なことだけれど、諦めるしかないね。

追伸
 笑かしてくれたね、柳沢。大久保も一歩先んじてディフェンスラインの裏に抜けたのに、三歩で追いつかれてるようじゃ話にならんねえ。中田も俊輔も後ろからのフォローがないのでなにもできないに等しく、小野が入ってからはボールが動くようにはなってたけれど、あの時間帯、セネガルあんまりプレスかけてこなかったからなあ。前半から出てたらどうなってたんでしょう。しかし、身体能力だけで組織の穴埋められたんじゃ、やってられねえよなあ。っていうか、あれだけ脆いディフェンスライン突破できないんだから泣けてくる。空振り。信じられなぁい。小野が完調になったら、遠藤の代わりに入れるつもりかね、ジーコ。韓国や中東のチームにはぼこぼこにされる予感。1トップにする気はないのかねえ。日本のFWふたり並べても無意味だと思うんだが。

(2003年9月14日掲載)

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